渋谷で爆発火災 2人死亡 都心の一等地騒然
(東京新聞)

「ドーン」という爆発音が響き、建物から猛烈な炎と黒煙が噴き上がった。渋谷区神宮前で十二日昼に発生した火災は、火薬を扱っていた火元の事務所兼住宅で死者二人を出す惨事に。重傷を負った火元の男性は、建物内に残る妻と母を助け出そうとしたが、激しく燃え上がる炎の前になすすべもなかった。

 「中に妻が、母が…」。爆発音を聞いて駆け付けた近くの自営業岸田真介さん(42)が煙の上がる住宅に着いた時、火元のイベント会社「ブロンコ」経営横山信一さん(60)は、中に残る妻洋子さん(55)と母喜代子さん(88)を助けようと、建物内に入ろうとしていた。一階部分の壁は吹き飛び、横山さんは全身血だらけだった。

 その後も爆発音が続き、火が迫り来る。「もう無理だ」。岸田さんは、同じく駆け付けたイラン人タレント、ランディ・マッスルさん(40)らと協力して、横山さんを外に無理やり引っ張り出した。炎が激しく燃え上がったのは、その数分後。横山さんは担架で運ばれた。岸田さんは「横山さんを助け出すだけで精いっぱいだった」と肩を落とした。

 都心の一等地で起きた爆発火災に、周囲は騒然とした。

 近くの画廊の女性(35)は「車が衝突したようなバーンという大きな音がした後、爆竹のような音が連続して響いた。外に出ると、ビルからものすごい勢いで真っ赤な炎が上がり、白い煙で覆われた」と興奮気味に話し、幼稚園の男性園長(55)は「すぐに保護者に連絡をとって『安全に(園児を)守っています』と伝えたら安心していた。出火元で火薬製造をしてたとは知らなかった」と驚いていた。



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